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新紙幣発行の意味は?

4月1日に発表になった新しい元号「令和」。

平成もあと数日と迫ってきましたね。


何か新しい世の中になるような期待感がある中で、4月9日に麻生副総理から5年後に新紙幣を発行するという発表がありました。


同時に発表されたのですが、2年後には500円玉の図柄も変わります。2色になって少しかっこ良くなりますが、余り注目されてないようです。


かなり報道もされてご存知とは思いますが、もう図柄はほぼ決まっていて、1万円札、5千円札、千円札にはそれぞれ渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の肖像画が描かれます。





みな日本の経済や女子教育、医学の発展などに貢献した人たちですが、誰がどのような経緯でこの人たちを採用したのかよく分かりません。


早稲田の卒業生としては、福沢諭吉の次は大隈重信でもよかったのではないかと思ったりします。


紙幣が新しくなると経済効果が高い?

 新紙幣の発行と500円玉のデザイン変更による経済効果は、1.6兆円(第一生命経済研究所)とも1.2兆円(財務省)とも言われていますが、本当でしょうか?


 確かにATMや自動販売機、自動券売機のメーカーは、新紙幣や新500円玉に対応する新機種を供給する特需期待から、株価も一時ストップ高になったようです。


 しかし、銀行や自動券売機を置いているお店にしてみれば、新紙幣や新500円玉に対応する機種入れ替えのため余計な出費を強いられるわけです。これはどう考えてもマイナス効果です。


実際これまではどうだったのか?

本当に経済効果があるのかどうか、過去の事例で検証してみましょう。現在使用されている紙幣は2002年8月2日に発表され、2004年11月1日に流通を開始しました。このときの経済動向を見てみましょう。


経済動向を見る手段として、日経平均株価の推移を見る方法があります。


日経平均株価は、1989年12月末に最高値38,915円を付けてから暴落が始まりました。いわゆるバブル崩壊です。そして2003年4月には8,000円を割り込んだのです。その後も株価低迷は続き、リーマンショックにより2008年10月28日には7,000円も一時的に割り込みました。この株価の推移からすると、新紙幣発行による経済効果があったとは言えないようです。


新紙幣発行のもう一つの理由に偽造防止が上げられています。

本当でしょうか?


日本は諸外国から比べて、キャッシュレス決済が遅れています。中国では60%、韓国では90%がキャッシュレス決済なのに対して日本は20%です。理由は日本では紙幣の偽造防止が難しく、紙幣に対する信頼度が高いためと言われています。紙幣を疑いもせず受け取るのは日本人くらいです。


キャッシュレスについては前号でお話していますので、ぜひお読みください。記事はこちら



新紙幣での偽造防止技術はさらに高度なものになっているようです。

1万円札と5千円札には3Dホログラムがついて肖像が浮きあがって見え、顔を動かして覗くと正面の顔が追いかけてくるように見えるそうです。


ハリーポッターの魔法の国の紙幣のようですね。

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