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将来の年金はどうなるの?

更新日:2019年9月30日

厚生労働省は「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」を発表しました。


これは、将来の公的年金の支給状況がどうなるのか、その見通しを日本の経済成長率に応じて6パターンで示したものです。前回までは6月頃発表していたのですが、今年は参議院選挙を意識してか8月27日に発表されました。

 

公的年金とは、厚生年金と国民年金(基礎年金)を意味しますが、これらは国の年金制度に基づいて、65歳(厚生年金の報酬比例分は未だ前倒しあり)から一生涯支給されます。





■ちゃんと見ていますか?「ねんきん定期便」

いくら支給されるかは、支払っていた厚生年金保険料(または国民年金保険料)とその支払い期間で積算された金額になるので、個人個人で違っています。自分の年金を将来いくら受け取れるかは、定期的に配布される「ねんきん定期便」を参照してください。気を付けなければならないのは、50歳未満の人に届く「ねんきん定期便」は現在までに支払った保険料に基づいた年金額(現時点で受け取ると仮定した年金額)が書かれているのに対して、50歳以上の人に届く「ねんきん定期便」では、現時点の保険料を60歳まで支払ったと仮定して65歳からもらえる年金額が書かれています。


■実際どのくらいもらえる?

それでは、29年度の厚生年金受給権者(基礎年金を含む)の平均支給額はいくらになっているか下の表に示します。

これらの数字は厚生年金の受給権のある者が対象であり、専業主婦は含まれていません。それでは、現在(2019年度)のモデル世帯の年金月額はいくらかというと、夫婦合わせて22万円です。

夫(基礎年金を含む厚生年金)=15.5万円、妻(基礎年金)=6.5万円

モデル世帯の年金額とは、平均賃金で40年間会社に勤めた夫と同年齢の専業主婦の妻が受け取る年金額を意味しています。


参考)厚生労働省 平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概要


これらの数字は厚生年金の受給権のある者が対象であり、専業主婦は含まれていません。それでは、現在(2019年度)のモデル世帯の年金月額はいくらかというと、夫婦合わせて22万円です。

夫(基礎年金を含む厚生年金)=15.5万円、妻(基礎年金)=6.5万円

モデル世帯の年金額とは、平均賃金で40年間会社に勤めた夫と同年齢の専業主婦の妻が受け取る年金額を意味しています。


■発表している6パターンのうち、3つで比較をしました。


これらの数字は厚生年金の受給権のある者が対象であり、専このモデル世帯が受け取る年金額と現役男性の平均手取り月収との比率を所得代替率と言って、公的年金の支給水準を示します。現時点では61.7%になります。


最も経済が順調に成長したケース1と真中のケース2、最悪な経済低迷ケース3で比較

ケース1とケース2では年金月額が今よりも増えているのに、所得代替率が低くなっているのは、平均給与が上がってもそれほど年金額が上がらない仕組みがあるからです。これをマクロ経済スライドと言って、少子高齢化が進んで年金の徴収額が減っても年金財政を逼迫させないように、経済成長率よりも年金支給率を減らすように調整するからです。


以上のように、将来もらえる公的年金は決して明るいものではありません。現在の年金賦課方式からすると、少子高齢化によって働いて年金保険料を払う人の数が減って、年金をもらう老人の数が増えていけば、一人当たりの年金額を減らすか、支給年齢を上げるしかありません。

若い人たちは特に、早いうちから「個人型確定拠出年(iDeCo)」や「つみたてNISA」、「個人年金保険」などに積極的に加入して、老後の生活に備えましょう。

まずは、将来を見すえたお金との付きあい方の見直しが必要です。

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