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ファイナンシャルプランナー村川賢

新NISAを詳しく解説

先月のブログでは、新年度の税制改正について身近なものを簡単に紹介しました。この中でも特に注目されるのが、来年から始まる新NISAです。今月のブログでは、この新NISAについて詳しく解説します。


●投資可能期間と非課税保有期間

投資可能期間が恒久化され、非課税保有期間も無期限化されます。つまり、最大投資枠内なら一生涯で非課税投資(NISA投資)ができます。


現行の一般NISAでは、5年以上非課税で保持するにはロールオーバーという面倒な手続きが必要でしたが、今回の新NISAではロールオーバーがなくなりました。


つまり、非課税保有期間が無期限化されたので、ロールオーバーが必要なくなったのです。

現行NISAから新NISAへのロールオーバーは不可なので注意が必要です。現行NISAで購入した投資信託などをそのまま新NISAへ移し替えることはできません。


ただし、現行の非課税措置は外枠で有効なため、つみたてNISAであれば20年間非課税枠で持ち続けられます。一般NISAでは5年間です。(あわてて売却する必要はありません。)


(出典)金融庁 新しいNISA:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html


●年間投資枠と両枠の併用

現行NISAでは、つみたてNISAと一般NISAの口座を同時に持つことができません。それが新NISAでは両方の口座を併用して持つことが可能となります。

しかも年間投資枠は大幅に拡張されて、つみたて投資枠では年間120万円、成長投資枠では年間240万円、両方併せて年間360万円まで非課税投資が可能です。


●最大投資枠と売却後の非課税枠

年間の非課税投資枠が大幅に拡張されるのに伴い、最大の投資枠が設定されます。両枠の投資額は合わせて1800万円まで投資可能です。ただし、成長投資枠は1200万円までなので注意してください。つみたて投資枠だけなら1800万円まで続けても大丈夫です。


現行NISAでは、売却後の非課税枠は再利用ができません。ところが、新NISAでは売却後の非課税枠は何度でも再利用が可能となります。表の( )書きの簿価残高方式で管理とは、簿価(購入価格+手数料)残高は売却すれば減るので、残高が投資枠内であれば再投資が可能となります。


●投資対象は変わりません

投資対象は、現行NISAと新NISAで今のところ変わらないようです。将来はつみたて枠の投資信託銘柄が増える可能性がありますが、両枠併用が可能となったので余り問題ありません。


つみたて枠で買えない投資信託があっても、成長投資枠で購入を積立設定すれば良いのです。


●筆者からの新NISA投資戦略

投資枠が大幅に拡張されたので、老後への備えにも十分に役立つと思います。また、子どもの教育資金や住宅購入の頭金として途中解約しても、解約した分は再投資が可能となったので安心です。


投資戦略としては、つみたて枠で月5万円~10万円を複数銘柄のインデックスファンドに分散して積み立てることをお勧めします。さらに余裕があれば、成長投資枠でS&P500米国株式ETFや全世界株式ETFなどを購入するのが良いと思います。

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