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株式相場の暴落は怖くない

日経平均株価は8月5日に史上最大の下げ幅(-4,451円)で大幅下落しました。同時にNYダウも終値1,033ドル安、S&P500株価指数も先週末比で3.0%下落しました。


しかしその翌日、日経平均株価は史上最大の上げ幅(一時3,400円)で上昇しました。また、為替も大きく動き8月5日には一時1ドル141円を付け、直近の3日間で約8%も円高に進みました。


初めてNISAを始めた人は、大きくプラスで含み益があった投資信託が一気にマイナスの含み損となって不安を覚えている人も少なくないと思います。


そこでなぜ、このような大きな相場の変動が起こったのかを考察し、改めて積立投資は暴落時にも怖くないことを説明します。



1. 8月7日の直近10日間の日経平均株価推移と米国S&P500株価指数推移、為替推移(円/ドル)を比べてみました。


① 8月7日 日経平均株価の直近10日間の推移


② 8月7日 米国S&P500株価指数の10日間の推移


③8月7日 10日間の為替(円/ドル)の推移

考察1: 上記3つのグラフは非常によく似た形をしています。なぜなら、この3つのグラフに強い因果関係があるからです。


日本株を売買しているのは、多くが外国人投資家や海外ヘッジファンドなどです。7月から8月の初めにかけて、米国経済指標の悪化が投資家に米国景気の腰折れを予感させ、米国株価は大きく下落しました。


それと同時に日本株も売られたのです。


考察2: 日経平均株価の下落幅(約20%ダウン)は米国S&P500株価指数の下落幅(約7.8%)と比べても大きく下落しました。史上最大の下落幅だったのはなぜだったのでしょうか。


その大きな理由は、為替の円高への推移です。日銀の利上げ(政策金利0.1% → 0.25%)宣言により、日米の金利差が縮まるとの予測から円が買われ、3日間で1ドル20円近くも円高に振れました。


オルカンやS&P500などのインデックス投信は、そのほとんどが米国株などの海外株式で構成されてますから、為替が円高になればそれだけで日本円での基準価格は下落します。


勿論、この間で米国株価が大きく下落したのも基準価格下落の要因となっています。


なお日本株が下落した要因は、輸出産業にとっては円高になると利益が減るので輸出関連企業の株が集中して売られたことによるものです。


考察3: 株価が過去にないほど急激に下落したり上昇したりする理由は、コンピュータ売買による高速取引がおもな原因にあげられます。


あるヘッジファンドの運営するコンピュータは関連する株価の動きを常に監視していて、ある閾値を越えて株価が下がったときは、損失を最小限に抑えるため瞬間的にその株を大量に売却します。

するとその株価は急激に下がり、また別なヘッジファンドのコンピューターも瞬時にその株を売却し、売りが売りを呼んであっという間に株価が大きく下落します。


同様にコンピューターによる自動での買いも急激な株価上昇につながります。


2. 今後の動向


今後の株式市場の動向を予測してみると、以下のような理由から徐々に上昇し、数か月後には元に戻るのではないかと思います。


ただし、11月の米国大統領選挙の結果次第で大きく振れる可能性があります。


①日銀は利上げについて慎重な発言を繰り返していることから、為替が6日に付けた1ドル141円から円安に動いていて落ち着きを取り戻しています。


②8月に入り米国の経済指標に良い数値が出てきており、米国経済は思ったほど悪くならないという安心感が出てきています。


またFRB(連邦準備制度理事会)が予定する9月の利下げでは、米国経済がソフトランディングするという期待が高まっています。

主要な日本企業の業績見通しも悪くありません。


3. 積立投資なら相場の変動は怖くない


投資信託による積立投資は、ドルコスト平均法により一定の間隔で一定の金額を投資していくことで、相場の変動を吸収して資産を増やすことができます。


つまり、基準価格が高い時は口数を少なく買い、基準価格が低い時は多くの口数を買うことで、リスクを分散させています。以下に例をあげます。



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