夫婦の収入合算で住宅資金を借りる場合の注意点

首都圏を中心にマンション価格が年々上昇しています。さらに、コロナ禍でのリモートワークの普及により、郊外でも広い土地に立派な住宅を購入する傾向がみられます。このような住宅価格高騰の理由として、夫婦共働きによる収入合算で住宅資金を借りるケースが多くなっているためと言われています。ここでは、夫婦が収入合算で住宅資金を借りる場合の注意点などを述べます。



●共働き世帯が住宅資金を借りる場合の借り方 夫婦が収入を合算して住宅資金を借りるケースとして、以下の3つがあります。 ①どちらか一方の契約で住宅資金を借りる(連帯保証型) 住宅ローンの契約を主債務者として夫(または妻)が行います。一方の妻(または夫)は連帯保証人となります。契約審査の条件としては、夫婦の合算した収入(金融機関によって連帯保証人は半額、またはそれ以下に制限される)、主債務者の年齢、職業、ブラックリストに載ってないか等が対象です。住宅の所有権(名義)は主債務者である夫(または妻)の単独となりますが、もし妻(または夫)が頭金等で自己資金を拠出している場合は、その割合に応じて共有名義とし ます。共有名義にしないと贈与とみなされ、贈与税がかかる場合があります。 ②ペアローンで住宅資金を借りる ペアローンとは、住宅資金を借りる場合に、夫婦ともに別々の契約として借りるローンを言います。ただし、同一金融機関で契約し、住宅には一緒に住むことが条件です。夫婦それぞれが契約審査の対象で、名義は拠出割合に応じて共有名義とし、お互いが連帯保証人となります。特徴としては、借りる金額や期間を夫婦で別々に変えたり、変動型と固定型を組み合わせたりできます。ただし、金融機関等に払う事務手数料はほぼ倍になります。 ③収入合算で住宅資金を借りる(連帯債務型) 1本の住宅ローン契約ですが、どちらかが主債務者となり、もう一方が連帯債務者となります。連帯債務者は、主債務者と同一の債務を負うことになります。夫婦の合算した収入を契約条件として借りられます。名義は拠出割合に応じて共有名義とします。代表的な商品としてフラット35があります。


●団信(団体信用生命保険) 団信とは、住宅ローン返済中に契約者が死亡するか、所定の高度障害等で働けなくなったときに、生命保険会社が借りている金融機関に、ローン残高に相当する保険金を支払う保険です。②のペアローンの場合は夫婦ともに加入できますが、①では主債務者のみ、③はおもに主債務者のみで、一部の商品で連帯債務者も加入可能なものがあるようです。 ①や③で団信の適用がない連帯保証人や連帯債務者に「万が一」があると、以後のローン返済が苦しくなるリスクがあります。


●住宅ローン控除 住宅ローンの年末残高に応じてその0.7%(上限あり)を一定期間(10年間または13年間)税額控除を受けられます。所得税から控除しきれない額は住民税からも控除されます(上限あり)。 この住宅ローン控除を受けられるのは、①の場合は主債務者だけ、②と③の場合では夫婦ふたりとも受けられます。


●その他の注意事項 その他の注意事項として、ローン返済中に夫婦で離婚する場合があります。別居しても①~③ともローンは返済し続けなければなりません。仮に主債務者が支払を滞った場合では、連帯保証人もしくは連帯債務者が代わりに支払う義務があります。また、住宅が共有名義になっていると、リフォームや建て替え時には相手の同意が必要になります。