2022年(令和4年)の注目点

今年の年頭にあたって、世界における政治、経済動向と株式相場、日本の制度改正について特に注目される点について述べたいと思います。



●世界における政治の注目点

 今年は世界中で選挙の年のようです。1月のイタリア大統領選挙、3月の韓国大統領選挙、4月のフランス大統領選挙、7月の参議院議員選挙、11月の米国中間選挙(上院は約3分の1,下院は全議席)と続いています。

 特に米国の中間選挙では、現政権の民主党が大敗を喫するのではないかと注目されています。もしそうなると、議会と政権(ホワイトハウス)がねじれ状態となり、政策遂行が儘ならなくなるばかりでなく、トランプ前大統領がホワイトハウス襲撃の煽動を起こすのではないかと囁かれています。

 中国と米国の冷戦状態も危惧されるところです。中国は台湾を自国領土だと主張し、米国や欧州、豪州など自由主義国では強く反発しています。もちろん日本は米国との安全保障条約などから中国と対峙する立場ですが、万が一にも台湾海峡などで軍事衝突が起きれば、距離的に近い日本は脅威に晒されます。

●経済動向と株式相場


 世界と日本の経済にとって、今年は好転する年(GDP比プラス約3%~6%)のようです。昨年と一昨年は新型コロナの影響で経済に大きなダメージを受けましたが、今年はその影響が収まり反動が予測されています。まだ変異種のオミクロン株が猛威を振るっていますが、弱毒化され重症化リスクは軽減しています。

 日本を除く世界の中央銀行では、インフレ脅威から金融引締めに動いていて、これが株価を押し下げる要因となっています。景気が好転すれば株価は上がるのですが、金融引締めが働くと下がります。つまり、株価は上がったり下がったりの不安定な相場が続き、年間を通しては右肩上がりで上昇するでしょう。

 日本もその影響で、まさに寅年にふさわしい乱高下の相場となるかもしれません。こんなときは、ドルコスト平均法で守られている積立投資が有利です。

●日本の制度改正


 今年は注目される制度改正がいくつもあります。そのなかから年金関連と住宅ローン減税について説明します。


 1.年金関連


 ①厚生年金加入の適用範囲が広がります。従業員数500人以上の会社で働くパート従業員などで、週20時間以上、月収平均8.8万円以上などの条件を満たせば、厚生年金に加入できます。この従業員数の枠が、今年の10月から100人以上、2024年10月からは50人以上に広がります。毎月払っている厚生年金保険料は、労使折半と言って、労働者と使用者(会社側)が半分ずつ納めるように定められているので加入したほうが得です。


 ②今年の4月から年金を75歳まで繰り下げることが可能で、最大84%増額(0.7%×12か月×10年)になります。また、60歳からの繰上げも可能で、この場合は最大24%(-0.5%/月から-0.4%/月に改正。0.4%×12か月×5年)減額されます。しかし、繰下げは年をとってからの支給となり、お金を使う期間が限られてくるので考えものでしょう。また、繰上げは65歳まで働ける時代になってきて、収入に大きな落ち込みがない限り必要ないでしょう。つまり、繰上も繰下げもない65歳からの支給で良いと思います。


 2.住宅ローン減税


 住宅ローン減税制度は昨年12月で終わる予定でしたが、それが延長されることになりました。ただし、減税となる控除率がローン残額の1%から0.7%に、一般住宅での上限が4000万円から3000万円に変更になります。控除期間は新築で13年に伸びますが、中古では10年のままです。全体的には半分近くに減額となると言えるでしょう。確かに住宅ローンの変動金利は実質0.5%前後なので、控除期間中は逆ザヤとなって得する計算になります。これを政府は取り上げて控除率を0.7%としていますが、何かケチっているだけのような気がしてなりません。