認知症対策に家族信託が増えているわけ

秋も深まってきましたね。前回みなさまにレターをお届けしてから1ヶ月、ラグビーに超大型台風、大雨、色々なことがありました。そして今年も残りは1ヶ月半。みなさんは令和元年、どんなことで締めくくりますか?


私はこの1年、「多くのみなさまに最適な相続対策をお届けする」というミッションで活動をしてきました。

今回は、NHKクローズアップ現代や朝イチでも取り上げられた家族信託についてみなさんにお伝えします。



■親が認知症になってしまった場合、こんなことが起こります。


・自宅を売却しようとする場合、成年後見制度を活用するしかない

(裁判所とのやり取りが大変、毎月毎月1万円~数万円ほどほどの報酬が掛かってしまう)

・親が施設に入り空き家にしてしまい放置した場合、年間多額の維持費がかかる


そんな事態になることを回避したいという方に、今注目されているのが「家族信託」です。


財産が凍結する前に、管理や修繕、リフォームや建築場合によっては売却など、先手で対策を行うことができます。ではどのような制度なのか解説をいたしましょう。

信託契約には3つの立場の人が関係します。その3者の契約のことを信託契約と言います。


それぞれの立場は次の通り。

 委託者・・・自分の財産を誰かに管理・運用・処分をしてもらいたい人

 受託者・・・委託者から任された財産を管理・運用・処分する人

 受益者・・・信託財産の管理・運用・処分から得られる利益を受け取る人

この3者を主に家族間で行なうのが家族信託です。



例えば、父(委託者)が長男(受託者)に自分の財産を信託し、利益の受け取りは自分(受益者)にする場合があります。

こうしておけば、自分が認知症になっても、長男が財産を管理・運用して、利益はそのまま自分に入るので安心です。


もちろん、信託法に則って契約書を作成しなければ効力がなく、一般的には弁護士や司法書士に契約書の作成を依頼します。家族信託は平成19年に信託法が改正され利用されるようになりましたが、まだ新しい制度なので家族信託に詳しい専門家に依頼するのが良いでしょう。

 信託銀行などに財産の管理を任せることを「商事信託」と言うのに対して、家族信託のことを「民事信託」と言います。受託者は自分の子だけでなく、信頼できる親戚を受託者とすることもできます。例えば、自分の子が障害を持っていて将来の生活に不安が有るときに、受益者を子にして受託者を親戚にすることで、自分が将来認知症や死亡したときでも子が生活できるようにするなどのケースがあります。


■認知症対策としての家族信託のメリット、デメリット


<メリット>

1. 本人が死亡した場合だけでなく、財産の処分が可能です。たとえば、一人で暮らしていて認知症になり、グループホームに入所したことで空き家になった場合など、受託者がその家を処分することが可能です。現在空き家問題がクローズアップされていますが、相続を待たずに適切な時期に適正な価格で売却ができます。

2. 受益者を初め自分にして、自分が死亡した場合は受益者を配偶者に変える契約内容にしておけば、仮に配偶者がそのとき認知症であっても心配がいりません。

3. 本人がまだ判断能力があるうちに、自分が信頼できる人(法人でも良い)に財産管理・運用を任せることで安心できます。


<デメリット>

1. 相続人が複数人いる場合などで揉める可能性があります。例えば、父親が家族信託で長男を受託者に指定した場合、長男が父親の財産を適切に管理しない場合では家族間で揉めることになるでしょう。

2. 家族信託がすべての場合で成年後見制度や遺言の代わりになるわけではありません。信頼できる専門家に依頼することが大切です。

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