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円安効果で日本では米国株価が嵩上げ

ファイナンシャルプランナー村川賢

円安が止まりません。9月8日には1ドル145円近くまで下落しましたが、これは24年ぶりだそうです。米国株価も今年の初めから大きく下落しましたが、この円安の影響で円ベースでの米国株価がどうなっている


●円安はどこまでいくのか、物価への影響は?


米国ドルに対して、世界中の主要通貨が下落しています。その中でも日本の円は最も下落率が大きく、7月末からの下落率は-6.7%となっています。この円安傾向は、今年の年末までに150円/ドルから170円/ドルくらいまで行くのではないかと言われています。


理由は、米国FRB(米連邦準備理事会)がインフレ対策として政策金利を急激に引き上げているからです。1回の利上げ幅が0.75%(通常0.25%)で、それを繰り返して来年初めごろまでに政策金利を3.5%~3.75%程度までに上げようとしています。


日銀は政策金利を-0.1%のまま据え置く方針なので、その金利差は大きくなるばかりです。弱い円を売って強いドルを買う動きは止まらず、円安が続くというわけです。みなさんだって、金利の低い銀行より金利の高い銀行にお金を預けたいと思いますよね。

同じような理由です。


円安になると、日本への輸入品はすべて値段が上がりますが、輸出品は逆に同じ製品でも安く輸出できます。この原理を簡単にエクセルでまとめました。




●米国で株価が下落しても日本ではそれほど下落していない


先々月(7月)のブログで、米国株価(S&P500など)が今年に入って大きく下落しているが、日本での米国株式インデックスファンドやETFは、それほど大きく下落していないと書きました。

楽天証券トウシルの最近の記事で、それを示しているグラフを掲載していたので紹介します。その理由はまさに円安のおかげで、円ベースではドル資産が嵩上げされているからです。



●米国株への長期積立投資


楽天証券トウシルの記事で、2000年初めから現在まで、円換算の米国株式(S&P500)に毎月3万円ずつ積立投資を行った場合の投資効果について示してるグラフを紹介します。


ここでは、累計投資額816万円(272回)に対して、直近の時価資産が約3,704万円と約4.5倍になっています。これほどまでに時価資産が増えた主な理由は、コロナショック後の米国FRBによる金融緩和にあります。


市場での金余りから、GAFAM(グーグル、アマゾン、アップル・・・)などのハイテク企

業の株価が大きく値上がりしました。ただ過去にはITバブルやリーマンショックなど株価が大きく落ち込む時期もあり、めげずに積立投資を長期にわたって続けることで資産が大きく増えることが示されています。




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