ロシアのウクライナ軍事侵攻における経済への影響と株式相場

2月24日にロシアはウクライナに軍事侵攻を始めました。連日、報道番組で報道されているように、その圧倒的な軍事力によってウクライナ領土を制圧し始めています。アメリカやヨーロッパ各国を中心として世界中で人道支援を行い、ロシアに対する経済的圧力をかけて対抗していますが、直接的な軍事力で介入しようとはしていません。ウクライナがNATOに加盟していないことと、仮に軍事力で介入したら第3次世界大戦に発展して、核戦争にまで繋がる恐れがあるからです。

 先月のFPレター2月号を発行したのはロシアの軍事侵攻の前でした。あの時点ではこのような事態になるとは予想しておらず、世界の株式相場もやや上向いていたのですが、ロシアの軍事侵攻と同時に大きく下落しています。



●今後予想される経済への影響


1.ガソリン価格の上昇と電気料金等への影響


 世界各国によるロシアからの原油や天然ガスの輸入停止。原油不足の不安からWTI原油先物価格が1バレル130ドルと昨年のほぼ倍の価格となっています。それに伴いガソリンや電気料金などのエネルギー価格が上昇し、家庭へのコストインパクトだけでなく、企業の生産コストの上昇への懸念があります。政府はガソリン元売り価格への補助金の上限を5円から25円に引き上げることで上昇を抑えようとしています。




2.小麦の値段高騰によるパンなどの食料品値上げ


 ロシアは小麦の輸出量で世界第1位(生産量では第3位)、ウクライナは第5位であり、小麦の輸入が滞る懸念から小麦先物価格が急激に上昇。日本では小麦粉の9割を海外から輸入していますが、政府が買い付け、国内の製粉会社に売り渡す仕組みとなっていて、価格は4月と10月に改訂されます。昨年10月には19%の値上げがあり、今年の4月の価格改訂では17.3%の値上げになると速報値が入ってきました。


●株式相場への影響


 世界の株式相場へも大きな影響を与えていますが、その影響はコロナショックと比べるとやや穏やかなように見えます。



●今後の資産運用をどのようにすべきか。


1.つみたてNISAや積立投資は現状通り続けるべきです。毎月の積立投資では、ドルコスト平均法により、価格が下がっているときには沢山購入する仕組みですから、今後上昇に転じた時は大きな含み益となります。


2.米国株のETFなどで含み損が出ていても売却するのは待つのが良いでしょう。今後いつの時点で底を打つかを予測するのは難しいですが、S&P500などの株価指数を見ても分かるように、数年以上という長期投資の観点からはそれほど心配ないでしょう。ただし、インフレリスクから世界中で政策金利の引き上げなど金融引締めを行うので、戻りは遅くなると思われます。